昨日、チェックインした時は西日がまぶしい部屋だなと思いましたが、今朝になって窓のカーテンを開けると、広大な二条城の緑が眼下に広がり、左大文字がくっきりと山肌に見えます。二条城前がこのホテルの売りですから、一番眺めのいい部屋だったのかもしれません。
あの「大の字」の山の北側が鷹峯、南側が衣笠で金閣寺があります。asataroが独身時代にデートを重ねたのが、あの金閣寺周辺でした。当時、彼女は衣笠に住んでいました。モチロン、今、一緒に外の景色を見ている女(ひと)です。あれから、40年以上の歳月が経ちました。
荷物をクロークに預けて身軽になり、地下鉄東西線の終点六地蔵に向かいます。昔は京都に市営の地下鉄はなく、阪急京都線が四条通りの地下を走っていただけでした。現在は、烏丸線に続いて東西線が走り、宇治の近くの六地蔵まで開通しています。ここで京阪宇治線に乗り換え、三室戸に着きました。
今回の旅の京都での目的地は、三室戸寺(みむろとじ)と決めていました。今まで、何度か予定しながら実現できずに気になっていたお寺さんです。決して観光寺院ではありませんが、今では花の寺としても人気があるそうです。asataroにとっては、西国三十三ヵ所第十番札所・・・。
今はアジサイの名所としても知られ、駅から徒歩15分の道にはアジサイ観光の人々が続きます。境内は広く、見頃の紫陽花が緩やかな斜面全体に広がっています。鎌倉の明月院や長谷寺・成就院と比較しても甲乙つけ難く、全体を見渡せるロケーションの良さでは、三室戸寺に分がありそうです。
山門を入ったところで、asataroは西国巡礼の白衣に着替えます。60段の石段をあがり、本堂の中でご朱印をいただきました。他にも白衣の巡礼さんはおられますが、今は紫陽花目当ての観光客が詰めかけています。
創建は770年、本堂は重層入母屋造り。三重塔は江戸時代中期のものですが、明治時代末期に兵庫県から移築されたものです。宝物館には重文の仏像5体が安置されているそうですが、毎月17日だけ一般公開されます。
境内には「浮舟之古蹟」と刻まれた石碑が・・・。源氏物語宇治十帖に登場するヒロインです。理性的な薫大将とプレイボーイ?の匂宮に愛され、三角関係に悩むことになります。石碑はひっそりと建っていました。
5,000坪の大庭園に一万株のあじさい。ツツジ・シャクナゲ・ハス・萩・紅葉と四季折々に花が楽しめるようですが、中でもアジサイが有名とのこと。夜はライトアップもされ、あじさい園が夜間特別公開されるそうで、参道には竹筒に似た行燈が並んでいました。
出口付近の広場では、地元の団体などが出店したフリーマーケットが賑わっていました。冷やかしのつもりがついつい手を出して、いくつかのお土産を買い求めることとなりました。これも、旅先での楽しみの一つでしょう。